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レビュー 映画 『阿修羅のごとく』 

阿修羅のごとく
大竹しのぶ 向田邦子 森田芳光
B0000YTR78




総評

 女性って怖い…というのは冗談だけれど、愛憎や嫉妬、そんな人間の生々しい業を劇的に描いた作品。

 そんな、どろどろした描写を主体とした映画だからこそ、時折さらけ出される人間の真実が美しく輝く。
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レビュー 映画 『タッチ・オブ・スパイス』 

B000AMYZIGタッチ・オブ・スパイス DTSスペシャル・エディション
ハピネット・ピクチャーズ 2005-09-16

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総評

 味、香り、少年時代…大好きなおじいちゃんと古都コンスタンティノープルへの郷愁。切なくも、なんだか暖かい気持ちになれる良作。


 ファネスはコンスタンティノープル(トルコ名イスタンブール)在住のギリシャ人。スパイス商を営む、お祖父ちゃんとは大の仲良し。スパイスがもうもうと煙る倉庫の中で、彼に料理や、怪しげな天文学―美食家(ガストロノモス)の中には天文学者(アストロノモス)がいる―を教わったり、幼馴染のトルコ人少女とままごとをしたり、幸せな少年時代をすごしていた。

 しかし、キプロス問題を契機に、ギリシャとトルコの関係は決定的に悪化し、ついには在トルコギリシャ人の強制送還が実施される。トルコ籍のおじいちゃんとファネスは離れ離れに。
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書評 川島重成 高田康成編 『ムーサよ、語れ』 

4921091056ムーサよ、語れ―古代ギリシア文学への招待
川島 重成 高田 康成


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総評

 神話から悲劇、プラトンまで幅広く網羅した古代ギリシャ文学入門。章ごとに出来・不出来はあるものの、さまざまな古典の濃縮されたエキスを堪能できる一冊。すごく面白い。

論文集なので、著者によって若干出来・不出来があるのはしかたがないところだろう。しかし、総じてどれも面白い。その作品の面白さが凝縮されている。特に個人的に面白かったのは、川島重成による序文(下に抜粋あり)、そして『イリアス』論。また、プラトンの思想における詩と哲学の葛藤を、かれの有名な「詩人追放論」を軸に解き明かしていく栗原祐次による論文も秀逸だ。



 なんとも乾いた時代だと感じることが多い。世の中のすべてが説明可能で、わかりきったことだらけ。計画性と計算能力が何ものにも増して尊ばれる。

 
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書評 ウンベルト・エーコ 『論文作法』 

20050831160306
論文作法―調査・研究・執筆の技術と手順
谷口 勇 ウンベルト エーコ


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総評

 一流の文筆家による一流の論文入門。これから論文を執筆するすべての人はもちろん、まじめに文章を書いてみようというすべての人にお勧めしたい。
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書評 小野不由美 『図南の翼』 

図南の翼 十二国記 講談社文庫
4062730529
小野 不由美


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 この作品は十二国記というシリーズにおける、番外編。にも関わらず、自分はこれが一番好きかもしれない。

 換骨奪胎という言葉があるが、小野不由美による十二国記シリーズほど、これを見事にこなしている作品はそうはない。諸々の中国の神話、易姓革命、そして歴史…それらについての膨大な知識をネタに、完全にオリジナルなファンタジー世界へと調理してしまう小野不由美の力量には脱帽してしまう。

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レビュー 『天国の本屋 ~恋火 』 

天国の本屋 ~恋火
B0001X9D8G
竹内結子 松久淳 田中渉


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総評

 よくも悪くも雰囲気を楽しむ映画。ファンタジー、ピアニスト、花火、北海道、竹内スマイル…これらの諸要素が渾然一体となった作品。個人的には結構好き。

 
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書評 玄武岩 『デジタル・デモクラシー』 

韓国のデジタル・デモクラシー
4087203018
玄 武岩


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 本書の主旨を一言で表現するならば、「権力と言論との関係」を主軸に据えた現代韓国の政治史であると言えるだろう。いかにして韓国の人々が大手新聞社と既存権力との癒着(「権言癒着」)を、インターネットを用いて乗り越えていったかが、明晰な筆致で綴られている。

 よって、同時に現代韓国の政治史の入門書としても優れた内容である。朝鮮日報を中心としたメディアが、日本統治時代から軍事政権時代を通じて権力の番犬として育成され、曲解と煽動に満ちた恣意的な報道を行ってきたその過程は、そのまま戦後の韓国が経てきた国内政治における苦難をそのままなぞっていると言える。このことは、いかに権力と言論とが、その本質において密接な関連性があるかを象徴しているようで興味深い。また、これらの過程を考慮すると、現在焦点となっている「親日」問題に関しても、今までとは少し違った角度から見ることができるだろう。
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