スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

黒のファンタジア 

目覚め
窓から射す光
始まりという
ひとつの
明晰さ

そして
気づく

何かを忘れてしまったことに
一秒前までの明晰さが
失われてしまったことに

回想する

そう
電車に乗っていた
中央線の下り
そして
トンネル

廃屋のなかを
電車が通る
荒れ果てた和室
ささくれだち
埃のいろの畳
破れたふすま
割れた窓ガラス

一瞬の違和感

しかし
これは日常の風景だったことに
気づく

そう
毎日この電車で
通勤してたじゃないかと
思いなおす

テニスコート
むこうから来る球

あぁ、そうか
自分は球拾いをするために
ここにいたんだっけと
気づく

集めた球を
向かってくる男に
渡す

それをするために
自分はいるから

そして
彼に顔がないことに
気づく

「あなたは誰?」

彼はなにもない顔で
私を見つめる

そして

「私はあなたのすべてを知っている。
しかし、あなたは私が見せようとする私しか
知らないし、また知ることはできない。」

と語る

あぁ、そうか
そういうものかと
納得する

更に彼は言葉を続ける

「私に従いなさい。
そう、言葉にして、言いなさい。
契約をしよう。
そうすれば、私はあなたに
世界をあげる。
その手にすべてを
つかませてあげる。」

そう、この人には
それだけの力がある
それは、何故かわかる

それと同時に
深みから鳴り響く違和感が
私に警告する

そして
私は気づく

目覚めなければならない
私の居るべきところに
戻らなければならない

目覚め
窓から射す光
始まりという
ひとつの
明晰さ

そして
気づく

何かを忘れてしまったことに
一秒前までの明晰さが
失われてしまったことに

誰かが言った

起きている自分は
巨大な流氷と同じ
眼に見える部分は
先っぽの
ほんの少し

暗くて冷たい
海の深み
そこにあるのは
世界を揺るがす
封じられた力

鎖に繋がれた
黒の巨人
彼は古き神々の
王であり
父でもあった
陽気な衝動、快活な誘惑
それは根源的な悪意
秩序付けられたすべてへの
あまりにも無邪気な
反逆の欲求

「ぶち壊しちゃえ」

もうひとつのリアリティ
それは
黒のファンタジア
地上を追われた古き神々の
突き落とされた黒い楽園
闇の最も深いところ
巨大な力の
眠るところ

光と闇の狭間
人びとは今日も
日々を生きる

当たり前の日々が
たぶん一番しあわせ
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://slumber365.blog2.fc2.com/tb.php/544-534565c2

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。