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便乗企画 好きな交響曲5番は? 

 クラシック音楽へのお誘いさんで、現在好きな交響曲アンケート集計企画みたいなことをされてる。面白いなぁと思いつつ、見守っていたのだが、ここで少し便乗して記事を書かせてもらうことにした。

 今回のお題は「お好きな交響曲第5番は?」とのこと。本当は1番から順々に記事にすべきなのだろうが、それだと絶対企画倒れになるのでこちらではまず5番から。

 さて、交響曲5番と聞いて、皆さんはどの曲を思い浮かべられるだろうか。多分、5番と聞いた途端にパブロフの犬状態でジャジャジャジャーンが頭の中に鳴り響く方が多いのでは?僕はアマチュア・オーケストラに度々参加し、またクラシックも結構いろいろ聞いている方だと思う。しかし、刷り込みとは恐ろしいもので、いまだにベートーヴェン、もしくは交響曲第5番と聞くと、とっさにジャジャジャジャーンが飛び出してくる。同様に、一時期は毎日のようにマタイ受難曲を通して聴いていたにも関わらず、いまだにバッハと聴いたときに反射的に脳内に例の「トッカータとフーガニ短調」(ピラリ~ン、○から牛乳♪のアレ)の冒頭部分が鳴り響くのだから、やはり刷り込みは恐ろしい。

 で、問題の「運命・ザ・パブロフ」君、実際すごい曲だと思う。僕はあまり楽典の知識もないし、スコアを読み込んだり、演奏を聞き込む能力もたいしたことがない。けれど、やはりベートーヴェンの交響曲には他には無いある種の凄みがあると思う。それは、鬱屈したデモーニッシュな激情を精緻なまでの構造に押し込めるというその力技から来ているのではないかという気がしている。そして、まさしくそれがベートーヴェンの専売特許なのかなという気がする。たとえば、同種の鬱屈した激情系としてシューマンが挙げられるが、彼の場合は残念ながらそうした情動を音楽的に構造化することには失敗しているのではないだろうか。そして、このデーモンがベートーヴェンの交響曲において、最初にモチーフとして躍り出るのがこの交響曲5番…通称「運命」なのではないかと個人的に感じている。

 確かにそれ以前の交響曲においても、ベートーヴェン特有の激情が滲み出る箇所は多い。しかし、少なくとも交響曲というジャンルにおいては、運命以前の交響曲にはある種の禁欲された節度のようなものがあるのではないだろうか。特に1番や2番の交響曲などは、きわめて綺麗にまとまっていて、運命以降の交響曲とは質の異なる、ある種の職人的なよさを感じさせる。また、例の雄大なエロイカ・シンフォニーにせよ、ベートーヴェン特有の物狂おしさは滲み出るものとして配置されており、それが主眼に添えられているわけではないと僕は感じる。ゆえに、まさしくベートーヴェンをベートーヴェンたらしめた記念碑的作品がこの5番なのではないかという気がする。

 特に一楽章の冒頭の休符の持つ圧倒的な緊張感。(あそこ、厳密には「ジャジャジャジャーン」じゃなくて「・ジャ・ジャ・ジャ・ジャーン」なんですね)弾き手を萎縮させるほどのこのプレッシャーこそ、この曲の偉大さの成さしめるところだと思う。怒涛のような四楽章の奔流も、その後の七番を連想させる充実感。4楽章に関していうならば、随所に感じるベートーヴェンの遊び心が好き。

 で、実際、ユング氏のところのサイトでも、現在これが首位を独走中なわけだが、僕はこの曲の偉大さは認めつつも一票は投じない。ちなみに、現在高位につけているのはそのほかにもチャイコフスキー、ショスタコービッチ、マーラー、ブルックナーなど錚々たる面子。

 チャイコフスキーに関しては、僕も一度セカンドヴァイオリンで演奏したことがあり、割と好きな曲でもある。ただ、やはり場所によって大仰だったり、芝居がかっていたり、しつこかったりする。実際、かつて某プロオケのコンサートで4楽章の冒頭を聴いた途端、胃もたれがした。(しかし、それでも名曲です。大好き♪)

 …で、ショスタコービッチ…誰それ?と一部コアなファンを茹ダコにするような発言をあえてしてみる。ってか、ショスタコファンってなんでみんなあんなに 熱く語るんだろう。…まぁ、純粋に嗜好の問題で、どうもあのズンチャカ節にはついていけないのですよ。だから、多分、公平に評価できないのだと思う。よって、ノーコメント。

 えー、マーラー様。なんていうか、あまりにものスケールに、僕のような胃の弱い人間にとっては体調次第では潰瘍ができそうになります。まだまだ、マーラーを聞き込むには精神年齢と器量が足りないみたいです。結構たくさんCD持ってるのですが…なんていうか、曲全体の概観を頭の中に入れるのにとても難儀します。これって僕だけでしょうか?

 ブルックナー…、う~ん、好きっちゃあ好きだけど、やっぱり日常的に愛好するには自分的にキャパ不足…。でも、一度演奏してみたいな。まぁ、アマオケでやるとどうせ悲惨なことになるんだろうけど。

 で、あと番外編として現在一票しか入っていないドヴォルザークの5番。これ、世界が目の前で開けていく感じの壮快な曲で、僕は好き。そう、昼寝から覚めて春の野山を駆け巡る感じ。

 んで、注目のマイ・ベスト交響曲5番は…メンデルスゾーン、通称「宗教改革」!!兎角、メンデルスゾーンは「美しいが底が浅い」みたいなことを言われがちなんだけれど、そんなこというやつは、カラヤン・ベルリンフィルの演奏を聴いてみろといいたい。荘厳かつ真摯、「底が浅い」人にこれほどのものは絶対に書けないと思う。だいたい、そんな軽薄才子にはあのマタイ受難曲の発掘なんて大事業はできないって。しかも二十歳で!!

 まぁ、とにかくこの曲、本当に荘厳かつ真摯、そして同時にメンデルスゾーン特有の美しいメロディメイキングや、あのなんとも言えない「清さ」みたいなものも健在。特に1・4楽章の完成度には素晴らしいものがあると思う。メンデルスゾーンならこの一曲だと僕は思うのだが、人気の方はイマイチ。更に、メンデルスゾーン本人もこれを失敗作だとしていたりと、イメージ的にはイマイチ感が漂うのも事実。まぁ、確かにそういわれると、ちょっと2楽章がメンデルスゾーンにしてはどことなく歪な気がしたり、3~4への連結がイマイチかなとも思う。でも、やはり1楽章の心がうたたねから覚めるような序奏、大海の底から抉るように湧き上がり巌にたたきつけるような展開、更に四楽章の天高く駆け上がるようなエネルギーと疾走感は、やはりもっと注目されるべきなんじゃないかなと僕は個人的に思う。…ま、そりゃあ好き好きなんだけどさ。

 また、確かにこの曲…マイナーなせいか、いまいち「これは」という名演奏に恵まれていないのも事実。先ほど挙げたカラヤン・ベルリンフィルの演奏を聴いたとき、正直震えがきたわけだが、他の演奏はどうもパッとしない。実際、実はカラヤンの演奏、4楽章の要となるような箇所の上昇音階について、スコアの指示を無視していたりする。そして、まさにそここそがカラヤン以外の演奏を聴いていて「どうもなぁ」と首を傾げてしまう最大のポイントのひとつ。しかし、むしろカラヤン以外の演奏はスコア通りの演奏をしているわけだ。そうなってくるとやはりこの曲はいろいろと難しいのかなぁと思ってしまう。自分が聞いた中ではハイティンク・ロンドンフィルが割合イケてるなぁと思ったくらいかな。こうしてみると、案外曲そのものは割合欠陥が多くて、非凡なのはカラヤンとベルリン・フィルなのかなぁなんて悲しいことも素人的には思ってしまう。ちなみに、数年前に所属していたアマオケの選曲にこの曲のスコアを出したときは、チェロとティンパニーが「つまらない」と切り捨てて、アホ現代曲を推薦したのだが、僕はいまだにそれを根に持っている。(笑)

 ってなわけで、便乗企画で僕の中の交響曲5番諸々について語ってみました。気分を害した方、座談程度のつもりなので、マジレス、マジ勘弁してください。他のもいずれやるかも。
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コメント

はじめまして

 以前から、文章が好きでよくお邪魔していたのですが、この記事を読んで、おおヴァイオリンを惹かれるのだなあと思い、親近感を感じてしまいました。
と、いうことで少し話題が離れているかなと思いつつ、トラックバックさせていただきました。

チャイ5はいい曲ですが、私はベートーベンの偉大なる5番「運命」のが好きですね・・・・
4楽章のラストのあたりとか、弾いてて首の後ろ辺りに鳥肌がたちます。

>aiさん

 こんばんは。コメント&トラックバックありがとうございます。

 ってか、正直コメントがつくことを期待していなかったエントリーだったので、書き込んでいただき、さらにトラックバックまでしていただいて大変嬉しく思います。

 そうですね、僕も曲としてのスケールで言うんだったら、ベートーヴェンがダントツだなと思います。4楽章はカッコイイですよね~。でも、僕にとっては本番で壮絶に落ちたというトラウマがある楽章でもあります。(笑)

続きを楽しみにしています。

私の手抜きのコメントよりははるかに面白いです。お世辞抜きに。

ネタがつきて(^^;、苦し紛れの中でひねり出した企画なのですが、結構面白い結果がでてくるのでついつい調子に乗ってシリーズ物と化してしまいました。

続き、楽しみにしております。

>ユングさん

 よりによってユングさんに読んでいただけるとは…なんだか光栄に思うのと同じくらいにとても恥ずかしいです。

 いつもサイトの方、楽しみに見聞きさせていただいてます。ああいう形でいろいろな演奏を紹介していただくと、とても音楽的な世界が広がります。友達や後輩にも、勝手に宣伝してまわっています。(笑)

 また続きやると思うので、気が向いたらぶらりとお運びください。

こんにちは

久しぶりに訪問しました。
家にはインターネット環境もないので、かなり不便。

随所でにやけてしまいました。
ふふ。

おや

 まぁ、山青きさいたまからのお上り様でいらっしゃいますか。東京にようこそ!!

 テレビも無くインターネットも無く…いやぁ
、やっぱり鄙びた風情をお好みになられるのですね。

 ところで都民(似非)様のお気に入りの交響曲5番は?

おそくなっちゃった

だってインターネットないんだもーん。ちぇ。

お気に入りの交響曲5番。

そうですねぇ。

プロコフィエフでしょうか。
反応がなんとなく予想できます。

というか、山青くてなにが悪い!

>都民(笑)さま

 やはり、水清きさ○たまの方々には、特別な嗜好がおありなのですね。多分、きれいな空気をいっぱい吸って生活していらさしゃるからでしょう。

 あぁ、そっか。都民におなり遊ばしたのですね、オホホ…。

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寝不足です

 思い切り寝不足です。しかし、今日はさすがに行かないとまずいだろうと稲城フィルの練習に行ってまいりました。次回の定演の演奏曲はチャイコフスキーの交響曲第5番です。これがさ。私にとっては妙に腐れ縁のある曲で、今のところ演奏回数最多。非常にファンの多い曲なので
  • [2005/08/05 16:18]
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  • Best Wishes~日々のコトダマ |
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