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柴田淳 ため息 

ため息 ため息
柴田淳 (2003/02/26)
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 おそらく正解というものはないのだろう。それでも、これでよかったのだろうか、自分は自分として生きているのだろうかと、そんなことを思わずにはいられない夜がある。
 なんて言うんだろう、生きられなかった別の可能性としての自分のうめき声が、過去の暗闇から迫ってくる感覚。とても重苦しく、せつなく、それでいてもうどうしようもない。

 後悔というのとは少し違う。

 ただ、「このままでいいんだろうか?」とか、「あの時ああしていたらもしかしたら」って、考えてもしかたのないことばかり考えてしまう。

 今夜がまさにそう。

 そして、ふと柴田淳さんの「ため息」が聴きたくなった。


たとえばぼくが あの日に戻って
すべてやり直せたら
何をしようか どこに行こうか
少し旅に出ようか


 柴田淳さんの声って、涙腺に染みこんで来るような浸透力がある。出だしの(これは二番の歌詞なのだけど)掴みで、もう感情移入してしまう。

 やり直せたら…そう、戻るとしたら大学3年、いや4年からやりなおすだろうか。きちんと向き合うべきもの、向き合うべき人に今度こそちゃんと向き合うんだ。

それでも やっぱり
きっと僕はここに戻ってくる
わかるから 自分だもの
意気地のない 弱いぼくだから


 そう、でもたぶん同じことを繰り返すのだろう。たぶんまた肝心なところで逃げをうって、手に入るはずだったものを手に入れ損ねたことに、はるか後になって気づいて愕然とし…そして自分を呪わずにはいられなくなるのだろう。

白くたつ ため息一つ
冬はこんなぼくを 見逃さない
あてのない ため息二つ
違う人になんて なれない


 こらえてきたものが胸の奥で決壊する。

 そう、「違う人になんてなれない」。

 自分はなるべくして"こうなった"、よくも悪くも。

 悲しいわけじゃないのに、なんだか涙が出そうになる。「ため息」ということばを歌うときの柴田淳さんのファルセットは本当に美しい。そして、こういう時は、泣いてもいいのかなということをふと思う。

色のない ため息一つ
風はこんなぼくを 許していく
あてのない ため息二つ
今はまだここから 動けない


 すごくネガティブなようでいて、この曲はいつも心を浄化してくれる気がする。どうしようもない現実の苦さを歌いながらも、最後にさりげなく救いを持ってきてくれるのは、柴田淳さんの優しさなのだろうか。自分も、こういうどん底まで相手に寄り添いつつも、ぎりぎりのところでスッと支えの手を出せるような力のこもったことばを紡げるようになりたい。

 「今はまだここから動けない」けれど、でも、それでもいいんだって思える。よくはないけれど、でも、今はそれでいい。しかたがないんじゃなくて、それでいい。それが、いまの自分だから。

 そんな地に足の着いた前向きさを、いつも自分はこの曲からもらっている。

 考えてみれば、柴田淳さんという歌い手を、ネットで知り合った友達に教えてもらい、初めて聴いたのがこの「ため息」。もう何百回聴いたか数え切れないくらいだけど、それでも依然としてMy all time favoritesのひとつなのです。

 柴田淳さん、本当にありがとう。


追記:

2006年11月7日

柴田淳さんのダイアリーの11月7日の記事で、この曲の元となった走り書きが公開されました。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ため息が止まらないなら
そんなにいやなら
その息もったいないから
その息でふうせんふくらまして
部屋中ふうせんでいっぱい!!
        わーーーい!!


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 いやぁ、やっぱこの人ツワモノだわ。
 
 いろんな意味で感動。

Links

試聴

Amazon 「ため息」

レビュー「紅蓮の月」

JUN SHIBATA -Live- "SECRET"

他の歌の試聴
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コメント

美しさ

日本語と声の美しさがとても符合していて、素晴らしいですね。CD買っちゃうかも・・。

生きていけるの

紅蓮の月でとびました。『動けない』ことを受け止める。後悔ではなくて、受け入れるってことなんですかね...。
『あのとき』、『してたら』、『どうだったんだ』?
今が変化してたのか?
考えても…やっぱり、考えたくなるものですね。
タイムマシーンなんてモノがあったら、過去か未来か?
これさえも悩んでしまいます。

今が然し、現実なんですね。

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