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あの頃 

 中学時代の友達からの突然の電話。

 彼は医学生なのだが、時々、思い出したかのようにかけてきてくれる。

 10年も昔の事を昨日のことのように語れる友達がいるというのは、たぶん幸せなことなのだろう。

 ましてや、先の旅行でかつての母校を自分が訪れたことから、おのずと昔語りは花盛る。

 それにしても、驚くのは当時の諸々の出来事についての彼の記憶の鮮明さであり、またそれらについての思い入れの強さ。みんなで地元のボーイスカウトのスキー旅行に参加したときの夜行列車での一夜、その時の友達の変な寝相のことまで覚えている。

 あぁ、そんなこともあったっけ。

 なんか、冷凍の中華料理をレンジでチンするみたいに、ふわっといろいろなものが漂いだす。

 まったく自分では忘れていたようなことをたくさん思い出させてもらった。事あるごとに教師だとか、いろんな大人に彼と一緒に喧嘩を売っていたっけ。

 人間関係というのは、ある種の化学反応だと思う。単体ではまったく無害な物質でも、掛け合わせると途端に劇薬に変化する場合が往々にしてあるわけで、自分と彼の関係もまた然り。教師に怒られざる一日とて無しといったような小学・中学時代だったわけだが、さてはて、どちらが主で、どちらが従だったことやら。

 あぁ、我ながら丸くなったなぁ…体型だけではなく。

 「あの頃が一番楽しかった、そうだろ?」

 そう、確かにあの頃は楽しかった。

 けれど、一番かと聞かれるとどうなのだろう。

 自分はわりとあっさりしているというか、淡白なのだと思う。

 人間関係一般にせよ、あまりマメに昔の友達と連絡を自分から取るようなことはしない。日常的には完全に忘れてしまう。「今」にいつも完全にのめりこんでしまうのだ。薄情なのかも。

 また、ひとつには、自分は根本的にちゃらんぽらんで人懐っこいので、すぐその場の雰囲気に適合してしまうというところもあるのだろう。

 でも、そういう風な自分の淡白さと適当さのおかげで、高校、大学とずっと、常に「今」が一番楽しいと感じて生きてこれたのかもしれないとも思う。

 また、そういう彼の述懐を聞くにつれ、あぁ、彼はずっと真剣に生きてきたのだなぁと言うことも思う。自分にとっての、中学を卒業してからの10年間は、ある意味悪ガキ時代の延長のようなお気楽なものだったが、彼にとっては色々なものとの戦いだったのだろう。

 10年の歳月、その重み。

 人は変わるもの。

 自分は10年前の自分ではない。あの頃に較べれば格段に慎重になったし、自分の感情をコントロールできるようにもなったと思う。

 しかし、彼と昔やった悪行の数々について、ケラケラとあーだこーだ言っていると、やはりベースの部分には絶対に変わらないもの、変わってはいけないものもあるのだということも感じる。

 そういうものを、昨夜は思い出させてもらえた気がする。

 昔語りと言うのはいいものだ。

 そう思って、ふと自分からもう一人の中学時代の友達に電話をかける。夜中の1時という迷惑アワーに。

 叩き起こしてやる。

 たまにはそういうのもいいだろう。

 そういえば、彼には焼肉二回分の貸しがあったっけ。

 たまには会ってみるか。

 時々、歩くのをやめて後ろを振り返ってもいいのかな。

 そんなことを、最近思うようになった。
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コメント

はじめまして。友人との久々の再会からこれほどまでの事柄を見出すところに感激しました。人間関係はおっしゃらっる通りで、化学反応だと思います。しかも「今」に生きるほどに激しく反応するのかなあとも思いました。「将来」や「過去」に重きを置いていると、それらが反応をおさえる役割を担ってしまうのかなあ・・・なんて考えつつ・・・
で、再会すると、何年前のことであっても、そしてそれ以来思い出したことのないことでも、打ち上げ花火のように脳裏のなかで記憶がはじけるのは、本当に面白いですね。
この記事とは関係ないですが

感動しています。深くて・・・
また訪問します。感謝

はじめまして

>きぼう屋さん

 とても嬉しいコメントをありがとうございます。

 人と人との化学反応が、「今」に生きるほどに激しく反応するというのは同感です。

 過ぎ去ったことにいつまでも心を囚われていたり、今を見ずに先のことばかりを考えていると、いろいろなものを逃してしまいますね。

 詩については、あまり考えず、そのつどの心象風景をありのままに描いています。だから、そういったものに感動していただけると、本当に嬉しいです。お好きなものがございましたら、コメント、メールなどにて、ぜひご批評くださいね。

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