スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

大前研一 『企業参謀』 

企業参謀―戦略的思考とはなにか
大前 研一
4833416948


 おそらく、エッセンスを要約すれば10ページに満たないのではないか。

 別に本書の内容がスカスカだと言っているのではない。

 ただ、要するに、これは変奏曲なのだ。

 主題は大前研一の思考法。

 それは、とにかく、事実から出発する論理的思考。錯綜した現実の中から、本質を抽出し、グルーピングし、概念化することによって問題点とその具体的な解決方法を導き出すプロセス。大前研一が伝えたかったのは、おそらく彼のそういった事実から始まり、論理的抽象化を経て事実へと戻る思考法のエッセンス。

 そして、残りの部分、主にビジネスの場面に当てはめたケーススタディや分析モデルは、すべて変奏なのである。だからこそ、70年代に書かれたものが、いまだに評価され、読み継がれているのだろう。

 「戦略的思考」というひとつのツールを本気で身につけようとしている人間には、本書はきっと多くの豊かな示唆を与えてくれるはずである。

 ただし、上述したように本書の主題は「思考法」なのであって、残りの具体例などは変奏なのだということをきちんと意識していないと、膨大な事実と専門用語の渦に巻き込まれ、「なんだか難しかったけれど読み終えた」という不毛な感想と空虚な達成感しか得られないことも確かだ。


Related

大前研一 戦略的思考のプロセス
大前研一 相手の追従を許さぬ三つの方法
スポンサーサイト

コメント

実をいうと、

僕はあまり大前研一は好きではありません ^^;
マッキンゼー流、というかアメリカMBA流というか、あるいは
もう少し普遍的に「合理的計画制御」を信奉する流れの中での
言説であるからです。(ご本人がいくら「世の中の事象は、
必ずしも線型ではないから、要素をつなぎ合わせていくときに
最も頼りになるのは、この世に存在する最も非線型的思考
道具である人間の頭脳であるはずである」と書いてもね ^^;)

まぁ極端に非合理的感情的な企業を少しは合理的な方向に
振れさせるのには計画制御はそれなりの意味はありますが。
それは偏差値30の企業を45まで引き上げるような意味合い
で、確かに劇的な効果はあるとは思います。

しかし、計画制御の限界は明らかにあって、そこの部分から
先こそが、今の行き詰まっている社会や企業の本質的な問題
だと思います。
つまり「複雑系、非線型性をどう扱うか」ということですね。
実のところ、僕はそれにはとても関心を持っています ^^

学部生に読ませたい

>awayさん

 これ、すっごく発想がいい意味でアカデミックだと思うんですよね。だから、非常に文章を書く参考になる。支離滅裂なうわごとぽえむを論理的な文章に昇華する方法論というか。だから、学部生にぜひ読ませたい。(笑)

 さて、一方で現実問題として「計画制御の限界は明らかにあって、そこの部分から
先こそが、今の行き詰まっている社会や企業の本質的な問題」というのはわかるような気がします。

 たぶん、これらの一連の考え方には、前提として人間は合理的であるから、自らの利益を最大化する行動をとるという人間観があるのだと思います。

 しかし、一方で、じゃあ仮にそういったスタイルの批判的思考によってもたらされた解決案を受け入れ、実行することが出来るような企業や社会が、そもそもそんな抜き差しならないひどい事態に陥るのかと。

 自分が傷を負って革命を起こすよりも、ぬるま湯につかりながら破滅を次の世代に先送りするほうを選ぶ人がたくさんいたから、いまこの国はこんなふざけた状態になってしまったんだろうなということを思います。

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://slumber365.blog2.fc2.com/tb.php/333-e2eed071

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。