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レビュー 『虚構に咲くユリ』 

 神様って、意外とすぐそばにいるのかもしれない…そんなことを感じさせるゲームでした。ちなみに、インターネットコンテストパーク銅賞受賞作品。

 主人公のユキが七歳の誕生日を迎えた日にストーリーは始まる。彼女の住むミミピコ村には、「ななさいの洞窟」という、七歳の子どもしか入れない洞窟があり、七歳児はそこで冒険をするのがその村のしきたりのようになっている。…っと、多分、ここまで読んだ時点で拒絶反応を起した人、結構いると思う。少し待って欲しい。

 基本的に、ストーリーはその「ななさいの洞窟」を探索することがメイン。戦闘バランスは甘め…しかも、宝箱が復活するため回復アイテムなどが無限に手に入るなどかなりぬるい設定になっている。ようするに、所詮は七歳児のぼうけん…やっぱり甘ったるいじゃんと思った方、もう少しお付き合い願いたい。筆者も当初はそう思って、微妙なものをダウンロードしちゃったなと思った。しかし、この甘ったるいゲームバランスも、巧妙な演出の一環だとしたら…?

 しかし、ユキはやがて夢を見始める。それは歩音という、現代日本に生きる17歳の夢である。さて、この歩音、過去に起きたある事件がきっかけで、時折散歩に出かける他は、半ひきこもりのような生活を送っている。自分と過去の記憶とだけ向き合う、孤独な世界。辛い、自己完結した世界。しかし、そんな彼女の生活も、ある女性との出会いで急速に変わって行く。

さらに、この歩音も夢を見る。それは、あるヴァーチャルリアリティの世界で生きる男。瑞坂の夢。その世界は、いわゆるファンタジーの世界であり、彼はそのテストプレイヤーとして実際にそこで冒険者として生活している。彼はそのような体験を、現実世界で生かし、成長するためにそこにいる。この瑞坂編は、かなりオーソドックスな王道RPGのエッセンスを凝縮したような内容。謎解きあり、ドラゴンあり…丁寧なつくりなので楽しめる。

 まったく相互にかかわりのない三つの世界に生きる、三人の人間。彼らは互いに関わることなく、それぞれの人生を精一杯生きている。また、物語も並行して、脈絡のないまま進んでいく、ある時点までは。それらの世界が交差するとき明かされる衝撃の真実。これは決して、甘ったるいめるへんRPGではない。そもそも、この作品は純粋な意味でのゲームと言うよりも、一つの物語であると思った方が良いかもしれない。これほど深い人間性の根幹への問いかけを秘めた物語は、あまり類を見ないのではないだろうか。この世界に生きるということの意味…決して思い通りにならない人生、そんな生を生きる人間の幸せとは?

「歩音ちゃん、視力2・0よね?」
「料理上手よね?」
「散歩好きよね?」
「…だから何?」
(ゲームより引用)

ゲームが進展するにしたがって、プレイヤーはいやおうなしにこれらの問いに直面させられることだろう。物語の終わりで、それぞれの主人公が見つけた答えとは、そして、エンディングで流される、あるキャラクターの涙…その真実とは?

 小説でもだめ、映画でもだめ、RPGというメディアでしかできない表現を見事に成し遂げてる作品だと思う。プレイ時間は大体6~7時間か、ゲームとしても丁寧につくられているので、気軽にプレイして欲しい名作だと思う。

ダウンロードはこちら↓
http://www.enterbrain.co.jp/digifami/conpark/zyusyou/2002_06.html

作者HP↓
http://hb7.seikyou.ne.jp/home/sa-sasaki/frame.html
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