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書評 『新卒無、業。』 大久保幸夫 編著 

新卒無業。―なぜ、彼らは就職しないのか
大久保 幸夫
4492260641


 深刻な若者の労働市場。

 しかし、いま、実際に何が起きているのかを把握している人はあまりいないのではないだろうか。
 本書は、「働かない」新卒者というものが生まれる社会的な背景と要因の描写、さらにその改善のための提案を盛り込んだ極めて実践的な著作である。

 教育行政のミスリードによって発生した大学生の供給過剰、就職活動の際限の無い早期化、教育と実社会の乖離、フリーターに依存する消費社会…働かない若者たちの背後にはこういった構造的要因がある。フリーター、ニートを声高に批判する多くの人びとは、それを見逃してはいないだろうか。

 一方で、こうした流動化が進行する雇用情勢の中で、それを利用し、踏み台にして自立していく若者たちもいる。時代は確実に移行しつつある。若者たちには選択肢は無いのだ。そうした時代においていかに生きるかをひとりひとりが考えなくてはならない。そうした現状を本書は冷静な筆致で描いている。

 最後の結論部は、そうした雇用の流動化が必然的となるであろう社会において、それをプラスの方向に活かすための提言となっている。一言で言うならば、それは人間がこうした社会において労働に対するインセンティブを持ちうるような制度改革だと言えるかもしれない。

 労働市場の流動化を不安定性と悲観的にとらえるか、ライフスタイルの多様性を実現してくれるものとして肯定的にとらえるかは人によって異なるだろう。ただ、本書はそうした判断をひとりひとりが行わざるを得ない日が、刻々と近づいてくることを教えてくれる。
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