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夏川りみ アルバム 『南風』 

南風
夏川りみ 森山良子 京田誠一
B000060NM2



 う~ん、これイイ!!ってことで…

総評

 澄んだ響きに乗せて、ひとつひとつのことばが大切に歌われている。いろいろな穢れをすっきり流してくれる一枚。久しぶりに本物の「歌」を聴いた。


 
くだらない声がキライ。うっとおしい、脂ぎって膿がつまったにきびのような気持ち悪い声、コンビニで並んでそうな陳腐で手垢まみれの歌詞、ワンパターンで不潔なメロディー…そういうのが最近のガキタレのくだらない声に乗せて歌われると、精神的に陵辱されている気分になる。

 声というのは不思議なもので、持ち主の人間性についていろいろなことを教えてくれる。声や喋り方が「くだらない」人間は、たいてい「くだらない」。そして、そんな「くだらない」声に占拠されている観がある最近のJ-Popには心底うんざりする。(特にバンド系の男!!誰とはいちいち言わないけれど、ぶっちゃけあり得ない)

 そんな中、昨日気まぐれで夏川りみのアルバムを借りてみた。

 本当に「いい」声だなぁと思った。もちろん、客観的にきれいだということもある。そして、発声としても無理がなくのびやかで気持ちがいい。しかし、それ以上に清涼な祈りの波動のようなものが、聴いている側のどろどろしたものをスッと溶かしてくれる。この実際の声+αの光りの粒子のようなものが素晴らしい。「ことば」以上のものを伝えてくれるのは、こういう声だ。

 もちろん、声だけでなく、語り手としても相当なもの。ひとつひとつの「ことば」を本当に大切にしている。だから、結果として歌詞がひとつの物語として生きている。もちろん、いい曲を選んで歌っていると言うのも大きい。しかし、それでも彼女の語り手としての力量に脱帽。若手では、群を抜いたレベルじゃないだろうか。

 また、アルバムのアレンジがいい。というのは、きちんと「歌」がたつようにつくられた編曲なのだ。昨今の装飾過剰で声の響きを殺してしまうアレンジとは対照的に、シンプルなアコースティック。彼女の声の美しさが引き立つような巧みな編曲。素晴らしいと思う。

 以下、印象に残った曲

涙そうそう

 実はこれ目当てで借りた。よくテレビとかでは耳にしていたけれど、ちゃんと聴いたのは初めて。森山良子が亡くした兄をしのんで書いた詩にBeginが曲をつけたもの。

 夏川りみという人は、とても感受性の豊かな人なんだろうなということを思った。若くてみずみずしい感性で「ことば」をとらえ、喪った人を想う複雑な心を見事に歌い上げている。

 特に最初の「古いアルバムめくり ありがとうってつぶやいた」の箇所は凄味すら感じるリアリティ。そのとおりの情景がさっと脳裏に浮かんできてしまう。さらに、聴いているうちにアルバムをめくっているのが自分自身であるかのような錯覚すら覚える。

 ただ難を言えば、高音がのびやかにほとばしる部分(「晴れ渡る日も 雨の日も」など)で、少し抑制が効かなくなるのが残念。といっても、別に音程をはずしたり耳障りとかそういうのではない。ただ、声として美しすぎて、かえって全体の流れから浮いているのではないかと自分は感じる。そこはやはり若さだろうか。あれを80%くらいの声で歌えたら、立派なベテランだろう。

 ちなみに、沖縄のことばで歌われたバージョンも収録されているのだが、それがまたいい!音楽としては、もしかしたら、そちらの方が美しいのかもしれない。

歌詞はこちら

童神

 イラーヨーヘイ イラーヨーホイ…

 何回聞いても目頭が熱くなる。

 沖縄の子守唄なのだろうか。

「雨風ぬ吹ちん 渡る此ぬ浮世
風かたかなとてぃ 産子花咲かさ」
(雨風吹き渡るこの世間
身を盾にして守るからね)

 恥ずかしい話だが、自分の母さんのことをフッと思い出した。

 どこまでも大きく、守り、そして育む愛。そんな母親のまなざしを、彼女の歌声は思い出させてくれる。本当にいい歌い手だなぁということをしみじみと実感させてくれる曲。

イラヨイ月夜浜

 う~ん、これもいい。

 夜の浜辺、焚き火の灯り。歌う人。踊る人。そこはかとなく漂う心地よい倦怠と潮の香り。

 イラヨイマーヌとは宮古島の古いことばで、愛しい、あるいはなつかしさを表現することばだという。

 イラヨイマーヌ桃の花 イラヨイマーヌキビの花
 イラヨイマーヌ木綿花 イラヨイマーヌ花が咲く

 歌い手は今宵どこで涙を流すのか…そんなことをふと考えてしまう。
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